■ 京都見る歩く(洛陽三十三所観音巡礼)Vol.6 金戒光明寺

 ■ 京都見る歩く(洛陽三十三所観音巡礼)Vol.6 紫雲山・くろ谷 金戒光明寺で泣きそうになる。



洛陽三十三所観音巡礼「第六番札所」の金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)へ行く。


洛陽三十三所第五番札所「新長谷寺(しんはせでら)/真如堂境内」西側の門から閑静な道を南へ下ると、小さな門をくぐり、左側に古く大きな墓地が見える。墓地といっても「怖い」感じは無く、かえって心落ち着く山の風景。げんに近所の子供が持つ白い虫取り網が三つほど墓石の間をわいわいと走りまわっている。どうやらここからがタバコ屋のお母さんの言う「くろだにさん」のようだ。



生垣の道が終わると、境内と大きな消防車が見えた。躊躇していると「どうぞ入ってぇ〜」と消防隊員とご住職らしき方。どうやら、「金戒光明寺」と文化財を守るための実地調査をしてるようだ。しかも本堂にあたる御影堂(大殿)も改修工事中だ←(6月いっぱいで完了)、法然上人の御影(座像)を見れず残念ではあるけど、なるほど京都のお寺や文化財を守るためにはこんなに綿密な確認演習が必要なのだ。是はこれで貴重な光景。

ご詠歌 「としをへて またたのむべき かんぜおん いのちなりけり よしだなかやま」



金戒光明寺の観音様は重要文化財の千手観音で、奈良時代の遣唐使「吉備真備(きびのまきび)」の名から「吉備観音」と呼ばれている。唐からの帰りの船で時化(しけ)に遭うも、「南無観世音菩薩」と一心に唱え事なきを得たとか。それを感謝し唐より持ち帰った栴檀香木を同時代の名僧「行基(ぎょうき)」さんに依頼し彫ってもらったそうな。「吉備真備」と「行基」は以前放送された「大仏開眼」で知られた方も多いと思う。廃寺となった吉田寺より移され、交通安全・厄難消除・安産のご利益がある。ご詠歌には「よしだなかやま」と吉田寺へのリスペクトがこめられているようだ。戦や大火の歴史が折り重なる京都の寺にはそんなご詠歌が多いことに気づく。



「吉備観音」に手を合わせ、寺務所へ行く。お若いのに見事な筆さばきのお坊様にご朱印を頂き帰ろうと顔を上げると、「会津墓地参道」の石柱が。そうか!ここだったんだ・・・・と驚きと同時にもの悲しい気持ちがこみ上げる。極楽橋より更に上へ登ると会津墓地だ。石段を駆け上がり息を整えながら見渡すとものすごい墓石の数。そうここがあの会津藩松平容保が京都守護職の任を受け藩士1,000名と共に布陣し屯所とした場所だったんだ。既に家康がここ黒谷、知恩院、を二条城と並び軍備できるように、まるで要塞のように基礎を作らせたという話を聞いたことがある。知恩院もここも見晴らしが良い、ということはつまり、たやすく兵や馬が登れない地形や高さにあるのだ。


かくも多くの若者が時代や邦(くに)を憂い、好むと好まざるに関わらず倒れてしまった
特に会津藩の「侍う」と言う思いは痛々しいほどで、形勢不利となっても最後まで本分を貫き、鳥羽伏見の戦いに到っては賊軍と、そしられながら、侍は勿論、その従者や女性までもが散って行った。会津とは縁もゆかりも無い私ですが、何故ここまで血が流れる必要があったのか?カッコいいお話をしているが、堰が切れたらただの国獲りじゃないかっ!と「勝てば官軍」と言う言葉をもう一度憎みたい気持ちになった。

せめて、後に多くの会津の人たちがこの国の縁の下を支えて活躍した事を彼らに知ってもらいたい。知識不足で申し訳ないが、バルトの楽園の「松江 豊寿(まつえ とよひさ)」陸軍少将・第9代若松市長とか、京都では「山本覚馬(やまもとかくま)」先生とか、その妹さんの「新島 八重(にいじまやえ)−旧姓(山本八重)」先生なんか同志社英学校の創立者「新島 襄(にいじまじょう)」先生の奥さんになったんだからね、すごいんだから!。会津のみなさんもっと勉強してからもう一度ここへ来ます、なんか、ごめんなさい。
余談ではあるが(いやこれが一番胸を打ったかも)、ここに侠客 会津小鉄(本名:上坂仙吉・こうさかせんきち)の墓があるという。寺伝によると、元会津藩士(後に藩に帰参)の父を持つ仙吉は、同じく彼らしい方法で入洛した会津藩に仁義を尽くす。200人からの子分を従える、いわゆる一家の親分さんであったそうな。

黒谷に京都守護職の本陣を構えた会津藩のお役に立つべく表向きは口入屋(人材斡旋業?)、裏では新選組の密偵として活躍したと言う。前述のよに賊軍の汚名を着せられ鳥羽伏見の戦いで戦死し野ざらしにされた会津の若者の遺体を子分を動員し、ねんごろに葬り―それだけで賊軍扱い―、終生黒谷会津墓地の整備に奉仕したという。

これは仙吉親分に限らず、幕末の街道や宿場の親分さんたちが直面した時代の変革であり、清水の次郎長親分(街道警護に)や黒駒の勝三親分(公家の用心棒に)にも起きたことだ。
その時代、その人の立場から、その人の信念をもとに行動し越えていくしかない、どうやらそれが時代の潮流と言うものらしい。生き様がどうあれ、相手がどうあれ、現代の人にもこの「それぞれの立場からの筋目」と言うものを知ってもらいたいものだ。気づけば皆、損得勘定と自由とお役目の混同、ご都合主義に走る人間があまりに多い!そう思うと金戒光明寺の南門を振り返り会津墓地の墓石の数を思い出す。複雑な心持になる。
お手水チェック、ここも井戸水
おっと、洛陽三十三所観音巡礼にきたはずが、お寺の門の前でかなり熱く、やるせなくなってしまった。とにかくバス停まで歩こう。京都は深い・・・・。

地点マップ(PC、携帯au、docomo)

場所名: 金戒光明寺(黒谷)
住所: 〒606-8331 京都市左京区黒谷町121

最寄交通機関
市バス:京都駅から市バス5番・100番で岡崎道下車徒歩10分
電車:地下鉄東西線蹴上駅から徒歩30分


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